「ミス・漏れゼロ」で利益を伸ばす──粗利改善勉強会レポート

“粗利が思うように残らない”と感じていませんか?
こんにちは。
一般社団法人日本住宅リフォーム産業協会ジェルコ様にお声がけいただき,勉強会「ミス・漏れゼロで利益を伸ばす!粗利改善勉強会」 に登壇いたしました。当日は全国各地から対面で40組以上の方にご参加いただきました。
本記事では、当日のエッセンスをダイジェストでお届けします。
なぜ今、粗利改善なのか?
- 新築着工数の長期減少とリフォーム市場の変化
- 建材・人件費の高騰、4号特例縮小など法制度の変化
- 大手ハウスメーカーによる“年5%前後”の賃上げ圧力
こうした環境下で “同じ売上でも、粗利が5%変わるだけで年間利益は大きく変動” する現実を、セミナー冒頭でデータとともに解説しました。

粗利改善のカギは「経営管理力」
利益が思うように残らないとき、最初に考えがちなのが「業者に値下げをお願いしてみようか」という打ち手です。確かに一時的には効果があるかもしれませんが、実はこれは“最後にやるべき改善策”です。
なぜなら、そもそも利益が出ていない理由が自社内にある場合、それを明らかにしないまま価格だけを下げても根本的な解決にはならず、かえって業者との信頼関係を損なってしまうリスクがあるからです。
まず着手すべきは,自社内に潜むムリ・ムダ・モレをなくすための経営管理力を高めることです。
経営管理とは,「なんとなく」を「しくみ」に変えること。

3つのステップで“ミス・漏れ”を防ぐ
ミスや漏れを防ぐためには、「見える化」「先行管理」「共通言語」の3つのステップを順に進めることが重要です。
【見える化】
現場や案件の状況を数値やデータで把握し、問題を“感覚”ではなく“事実”として捉える仕組みをつくります。たとえば、進捗や利益の管理表を導入し、案件ごとの粗利や進行状況を常に把握できるようにしたり、案件情報をマスター化することで、属人化を防ぎます「見える化」した数字を “読んで終わり”ではなく “次の現場を良くするヒント” として蓄積することが、粗利率を押し上げる最短ルートです。
【先行管理】
将来起こり得るリスクを事前に察知し、対策を講じる力を高めます。代表的な取り組みとしては、見積書における項目抜けを防ぐチェックリストの作成や、着工時期を平準化してリソースに余裕を持たせるスケジューリングなどがあります。これにより、“あとから気づいて損をする”ことを未然に防ぐことができます。
【共通言語】
組織内で情報のやり取りにブレが生じないようにするための取り組みです。具体的には、KPIシートのフォーマットを部門間で統一したり、よく使われる用語や定義を明確にして共通理解を持たせることで、意思疎通のミスをなくします。こうした言語や基準のすり合わせが、属人性に頼らない安定した業務運営につながります。
この3ステップを繰り返し実践することで、現場の小さなミスや見落としが減り、最終的には粗利の安定と向上につながっていきます。

今日から始める3つのアクション
① 案件管理表を作成し、繁忙期を平準化する
・月度ごとの案件管理表を作成し、案件の見える化をする
・繁忙期をなるべく平準化させる
案件の波を平準化することで、ヒューマンエラーや原価のムダを未然に防ぎやすくなります。
②営業・工務・経理で「粗利」の定義を揃える
例:
営業「売上-見積原価」
工務「売上-実行原価」
経理「入金ベース売上-支払い済み原価」
→ 粗利の定義を「売上-実行原価」で全社統一
定義がズレるとKPIの見え方も変わります。定義の統一は最も即効性の高い改善策です。
③見積もり漏れチェックリストを整備・更新する
・案件ごとに見積もり漏れを記録できる帳票を作成
・定期的にチェックリストの更新を行う
・例:養生費/仮設トイレ/駐車場/電気容量増設など
過去の“うっかり”を記録し、未来の“うっかり”を防ぐ――この積み重ねが粗利改善の王道です。

まとめ
- 値下げ交渉より先に、社内の ムリ・ムダ・モレ をゼロに
- キーワードは 見える化 → 先行管理 → 共通言語
- ツールよりも 仕組みと習慣 が成果を左右する
- 年度ごとの見直しが重要

株式会社SUMUS
コンサルタント
向畑 貴由氏
現場に寄り添う
大学卒業後、大手建設メーカーに入社。法人営業として、大手ゼネコンから中小建設会社までさまざまなクライアントを担当。SUMUS入社後は主にマーケティングに従事。大小の規模を問わず多くの工務店を支援している。ポリシーは現場に寄り添うこと。
野球とラグビーを経験してきた根っからの体育会系コンサルタント。
